2016年10月21日金曜日

NHK、電子書籍を抹殺!?


最近の人は本を読まなくなった

本日(2016年10月21日)の朝7時台のニュースで、NHKの総合テレビが最近の読書の傾向を取り上げていた。

先ず、数人の学生を集めてインタビューしていたが、ものを調べる時はインターネットを利用することが多く、本で調べることは少ないとのことだった。辞書、百科事典、旅行案内、園芸など、何でもウェブで調べられる時代になったので、これは当然だろう。

そして、本を読まなくなったのは嘆かわしいことだと、対策に乗り出した企業や学校の事例を紹介していた。立派な図書室を整備して、その利用を奨励し、利用した人を記録して評価するようにしているという。

しかし、この約10分間ほどの報道で、「電子書籍」という言葉は1回も出てこなかった。これを非常に奇異に感じたのは私だけだろうか?

本には2種類ある

本には「調べる本」と「読む本」があるように思う。

辞書や百科事典、年鑑や図鑑、旅行案内、料理や園芸などのハウツーもの、病気の対処法などは「調べる本」だ。必要な時に必要な個所だけ読めばよい。現在はほとんどの情報がウェブで公開されているので、本を買う必要は激減した。

一方、小説や政治・経済・社会・歴史などに関する本は、通常初めから終わりまで読み通す「読む本」だ。

これらをきちんと区別しないインタビューでは実態がよく分からない。「調べる本」が利用されなくなったからといって慨嘆するのは、今や時代錯誤だ。
  
「読む本」には「紙の本」の他に「電子書籍」が現れた

そして「読む本」には、近年、従来からの「紙の本」に加えて「電子書籍」が現れた。

この「電子書籍」のインタビューでの扱いがはっきりしない。聞く方も答える方もあまり意識してないのかも知れない。

しかし、「紙の本」も「電子書籍」も、提供媒体が違うだけで内容は同じなので、本を読むことに違いはない。本が読まれなくなったことを嘆くなら、これら両方を合わせたものについて論ずる必要がある。

「紙の本」がいくら減っても、その分「電子書籍」が増えているなら、まったく問題ないはずだ。紹介された企業や学校の実態は不明だが、「紙の本」の利用促進の代わりに「電子書籍」の利用を促進してもいいわけだ。
  
政府や報道機関は「電子書籍」の普及に力を入れるべき

「電子書籍」に対する、出版社、取次店、書店、印刷・製本業者などの抵抗は強烈なようだ。これらの事業者は「紙の本」でメシを食ってきたので、「電子書籍」に抵抗するのはある意味で当たり前だ。

しかし、利用者の立場に立つと、「電子書籍」のメリットは非常に大きい。
(1) 「紙の本」より安い。古今東西の古典が無料で読める。
(2) 保管スペースが要らない。
(3) スマートフォンさえあれば、世界中どこにいても続きを読める。 
(4) 分からない言葉、知りたい関連事項などを即座にウェブで調べられる。

したがって、「紙の本」と利害関係が薄い政府、報道機関などはもっと「電子書籍」の普及に力を入れるべきだ。そうしないと、日本は他の国に負けてしまう。

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